最終更新日:2024年02月11日

南公園のHSST-03号機

HSSTとは、「High Speed Surface Transport」の略で、日本航空(JAL)と住友電気工業が開発した、磁気浮上、リニアモーター推進による新しいタイプの交通機関です。
その後、JALから中部HSST開発へ開発が移管され、2005年、主に愛・地球博への交通機関として、通称「リニモ」として実用化されました。
HSST-03(別名「HSST-EXPO’85」)は、1985年に開かれたつくば科学万博に向けて1983年3月から開発されたもので、前身の1号機、2号機と違い、3号機の特徴としては、浮上走行装置をモジュール化したことにより、車両と軌道の軽量化に成功したことです。
1985年の筑波万博、1986年のバンクーバー国際交通博覧会、1987年の岡崎葵博でデモ走行を行った後、現在は岡崎市の南公園に静態保存されています。

交通:名鉄東岡崎駅・JR岡崎駅から若松栄町バス停または南公園北バス停下車徒歩5分
カーナビマップコード:51575338*40


高速地表輸送機、リニアモーターカー HSST-03
HSSTは、新交通システムの交通機関として車輪を用いず、騒音や振動のない、未来の乗物をめざして開発され、電磁石の吸引力によって浮上し、リニアモーターで走行するものです。
このHSST-03号機は試作機で、これまでに筑波国際科学技術博覧会(1985年)、カナダ国際交通博覧会(1986年)に走行展示されました。
その後、昭和62(1987)年、葵博岡崎’87にあわせて岡崎市に寄贈され、この間、通算すると世界各国の145万人を超える人々が体験されました。
諸元
開発 日本航空(株)と
住友電気工業(株)の共同開発
製造 昭和59(1984)年6月
車体

アルミ合金製
全長 13.8m 全幅2.95m
全高 3.0m 重量12トン
座席40席(最大50席)

浮上

吸引式電磁石(常電導)
浮上高さ1cm

推進 リニアインダクションモーター
HSST-01・02号機は、上野国立科学博物館に寄贈、展示されています。

(看板より)


HSST-03は、SLと同様に、清掃整備の時間の、
毎月第2日曜日の9:00~11:00の間に、一般開放がされています。
また、秋の南公園まつり開催時(10月第1日曜日)にも、車内が公開されます。

室内

脱臭のために、炭を置いています。
さすがに、30年も展示していると、雨漏りしたり、猫が入ってオシッコをしたりして…。車内がカビ臭かったり、ちょっと臭うかもしれません…((+_+))。

HSST内のインターホンです。
当時は、ここから車内放送をしていました。
(受話器を取ると、懐かしの「鶴丸マーク」を見ることができます。)

運転席

いろいろパネルを開けてみると…。

なんと、出てきたのは、カーオーディオ。懐かしの、カセットテープです。
さすが、1980年代って感じですよね(^_^)。

前方運転席の左には、表示ランプが色々付いています。
右側のメーターは、ブレーキの圧力計、ですね。
※ちなみにHSSTの前後は、ゴーカートコース側が、前になります。

前方運転席右側には、スイッチが色々…。

エアコンのコントロールパネルと、車内放送、インターホンです。

続いて、後方運転席です。

こちらは後方運転席の、左側のパネルです。
色々メーターがありますが、HSST-03は、駆動制御装置(VVVFインバータ)が車両ではなく、線路側についていた(当時はそれほど大きかったんです)ので、架線電圧の他、インバータの出力、あとは車内のバッテリー(24V)の電圧・電流が分かるようになっています。
ちなみに、左側に2列並んでいる四角いメーターは、浮上・走行モジュール(台車)が、レールからどれくらい浮いているかのメーターでしょうか。メーターが縦に6個(6つのモジュール)×2列(1モジュールに電磁石2個)並んでいます。


こちらは、後方運転席の右側のパネルです。
前方運転席のパネルとの違い、分かりますでしょうか?

ドア周り

非常用ドアコックを開けてみると…、こちらにもメッセージが。

さらに、フタを開けてみます。

実は、このふたを開けると、ふたの裏側にも、さらにメッセージがたくさん書かれていました(^^)。
お見せできませんが…。

銘板

蛍光灯が点きました。

HSST-03の前面の下部に、家庭用100Vのコードが垂れていたので、繋いでみたら…、蛍光灯が点きました。

HSST季節の便り

南公園がリニューアルすることに伴い、閉園までの期間に、さよならヘッドマークが付けられています。(詳細はこちら)

桜の時期

お正月飾り

毎年12月29日に、お正月飾りを付けます。(12月29日~1月3日までは、休園です。)

ドアを開けたい!!

HSSTには電気が来ていないので、動かないのでドアの開け閉めにも一苦労です。

月に一度の清掃公開時に、フタを開けているHSST-03を見かけた方がいらっしゃるかもしれません。これは、ドアが開けるための、一つの手順で、ここから痩せている人が車内に入り、ドアの開け閉めを行っていました。

なんか、笑っているみたいに見えませんか(^o^)??

ドアは、基本、車内から紐で縛って固定をしています。
とーっても、大変な作業なのです…。
※最近は、秘密兵器が開発されまして、一つのドアが電動(??)で開け閉めができるようになったので、かなり便利にはなりました…。

おまけ


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